九、甑山道の宗旨

img_02.220_1.ReturnOrigin
宇宙の秋の時代を迎え、人間を含む天地万物が生命の根元に戻らねばならないという上帝様の道の根本の教え。根元のところに帰するという意味で、秋の統一の精神を表します。原始返本は報恩を通して成立し、実践面では解冤と相生を通して成就します。
img_02.220_2.Thanks
報恩とは徳を施してくれた人に、また自分の根元の存在に対して恩返しをすることです。人間の営みの中で第一の道徳は報恩です。この世に根もなく生じた者は誰一人いません。広義では天地の恩恵に、狭義では父母と先祖、師の恩恵に報恩することで、自分自身の本来の姿を取り戻す原始返本を成就できるのです。
img_02.220_3.Resolve
解冤とは、多くの生命の冤と恨を解いてあげるという意味です。解冤なしに誰も本来の姿に戻れません。甑山上帝様の御言葉に「先天では相克の道理が人間と物事を支配していたため、すべての人事が道義から外れた。このため、冤恨が鬱積して三界に溢れ、遂に殺気が爆発して、世の中にあらゆる惨酷な災いを引き起こしたのだ。(『道典』4:14)」とあります。先天の歴史は冤恨の拡大史であり、冤恨の蓄積史でした。男女差別、人種差別、身分の格差、貧富の格差、戦争と暴力等で数千年間累積してきた冤恨を、全て解いてこそ相生の新時代が開かれるのです。
img_02.220_4.MutualGiving
相生とは「生命を生かし、双方がより良くなる」という実践理念で、今日人類が抱いている環境破壊、民族問題、最後の理念対決といったあらゆる葛藤構造を解く生命の大道思想です。真正なる相生は後天開闢が前提となり、解冤が実現する時に共に成就されます。