現代文明は極端なまでに物質主義に走り、至る所で偽善と対立が横行しています。そういう社会の中に生まれ、真理を求めて孤独に彷徨ってきた私たちに、現代の抱える諸問題を解決することが出来る、驚くべきパラダイムを示された方が現れました。時代の暗影が色濃くなるにつれ、宇宙の主宰者が与えて下さったこの新しい未来像は、心ある人に明るい希望として映ることでしょう。

韓国の地に降世なさった神、甑山上帝様が、一九〇九年に宣言されたこのお言葉は、全人類に新しい希望をもたらす「開明の章」である道の経典が世に出ることを示すものであります。

『宇宙の秋を迎えて』は、この道の原典、甑山道『道典』を基に編集された聖句集であります。韓国語版『道典』は、一九九二年に刊行、二〇〇三年に改定、増補されました。そして全十一編、二二八五章に及ぶ膨大な内容を収録しています。『道典』は、甑山上帝様の大道を自らの生活で実践してきた一千万人の求道者たちによって、百年の歳月をかけて成し遂げられた信仰の結晶であります。韓国語版『道典』が刊行されて以来、人類の希望と甑山上帝様の大道を全世界に宣布するため、『道典』は英語をはじめ、日本語、中国語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、ロシア語の七ヶ国語に翻訳されてきました。

この本に抜粋された『道典』の聖句は、人類と世界の運命に対して真摯な眼を向ける全ての人たちに対して、甑山道の真理への扉を開くことでしょう。

今の時代は、宇宙の時間帯で言えば、夏の時間帯から秋の時間帯へと変わる、天地の季節の変わり目であります。間もなく押し寄せる、人類の決定的な転換点である開闢期を迎えて、我々は現在、人類史上初めてといわれるほどの危機と希望が共存する時代を生きています。人類にとって、開闢が大きな試練になることは間違いありませんが、その向こうには、五万年間続く輝かしい宇宙の秋の文明、長い間人類が待ち望んできた仙境楽園世界の希望の太陽が昇りつつあることを、忘れてはなりません。

『宇宙の秋を迎えて』が七ヶ国語に翻訳され、『道典』の聖句が世界中の多くの人々に紹介されることをとても嬉しく思います。この本が秋の宇宙の新天地を建設する働き手としての運命を背負って生まれてきた全ての読者諸氏に、大きな転換点をもたらすことを、心から願ってやみません。

２００８年(道紀１３８年)１２月
　 安　耕　田