上帝様の降世には二つの理由があります。一番目の理由は、宇宙が夏から秋へ変わる時に起こる相克の関係にある気運の衝突を防ぐためです。「夏の火の気運」と「秋の金の気運」という、相反する相克の気運が衝突すれば、宇宙全体が崩れてしまいます。そのため、夏から秋に変わるときには、二つの気運の衝突を仲裁なさるために上帝様がこの世に降世されます。
五行の観点からみると、上帝様は完全なる「土」(造化)の気運です。「土」は「火」を抱いてその気運を和らげ、「金」を産み出します。相克の関係である「火」と「金」を、上帝様が抱え込むことで相生の関係に変えるのです。
二番目には、「人尊の時代になった」ということを示すためにこの世に降りて来られました。先天の古びた気運の中では、天地が人よりも尊く思われていました。それ故、人々は天地に吉凶禍福を尋ね、救済を祈りました。しかし宇宙の秋になれば、人が天地の主人公となって後天仙境を建設することになります。そのため、人が最も尊い存在となります。そのことを示すため、上帝様は人間として来られ、人間の身をもって救済の道を開かれたのです。